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相続税法においては、株式は時価で評価すると定められています。ところが取引相場のない株式については上場株式と違い、時価がいくらかというのは非常に難しい問題です。そこで、財産評価基本通達によって時価の評価方法が定められています。相続税や贈与税の場合には、一般的にはこの評価方法により計算した金額を使います。
財産評価基本通達178:取引相場のない株式の評価上の区分
規模区分 | 区分の内容 | 総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数 | 直前期末以前1年間における取引金額 | |
大会社 | 従業員数が100人以上の会社または右のいずれかに該当する会社 | 卸売業 | 20億円以上(従業員が50人以下の会社を除く) | 80億円以上 |
小売・サービス業 | 10億円以上(従業員が50人以下の会社を除く) | 20億円以上 | ||
卸売業、小売・サービス業以外 | 10億円以上(従業員が50人以下の会社を除く) | 20億円以上 | ||
中会社 | 従業員が100人未満の会社で右のいずれかに該当する会社(大会社に該当する場合を除く) | 卸売業 | 7000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く) | 2億円以上80億円未満 |
小売・サービス業 | 4000万円以上(従業員が5人以下の会社を除く) | 6000万円以上 20億円未満 |
||
卸売業、小売・サービス業以外 | 5000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く) | 8000万円以上20億円未満 | ||
小会社 | 従業員数が100人未満の会社で右のいずれにも該当する会社 | 卸売業 | 7000万円未満又は従業員数が5人以下 | 2億円未満 |
小売・サービス業 | 4000万円未満又は従業員数が5人以下 | 6000万円以下 | ||
卸売行、小売・サービス業以外 | 5000万円未満又は従業員が5人以下 | 8000万円未満 |
財産評価基本通達179:取引相場のない株式の評価の原則
前項により区分された大会社、中会社及び小会社の株式の価額は、それぞれ次による。
(一) 大会社の株式の価額は、類似業種比準価額によつて評価する。ただし、納税義務者の選択により、一株当たりの純資産価額(相続税評価額によつて計算した金額)によつて評価することができる。
(二) 中会社の株式の価額は、次の算式により計算した金額によつて評価する。ただし、納税義務者の選択により、算式中の類似業種比準価額を一株当たりの純資産価額(相続税評価額によつて計算した金額)によつて計算することができる。
類似業種比準価額×L+1株当たりの純資産価額(相続税評価額によつて計算した金額)×(1−L)
上の算式中の「L」は、評価会社の前項に定める総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数又は直前期末以前一年間における取引金額に応じて、それぞれ次に定める割合のうちいずれか大きい方の割合とする。
イ 総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数に応ずる割合
卸売業 | 小売・サービス業 | 卸売行、小売・サービス業以外 | 割合 |
14億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く) | 7億円以上(従業員数が50人以下の会社除く) | 7億円以上(従業員数が50人以下の会社除く) | 0.90 |
7億円以上(従業員数が30人以下の会社除く) | 4億円以上(従業員数が30人以下の会社除く) | 4億円以上(従業員数が30人以下の会社除く) | 0.75 |
7000万円以上(従業員数が5人以下の会社除く) | 4000万円以上(従業員数が5人以下の会社除く) | 5000万円以上(従業員数が5人以下の会社除く) | 0.60 |
(注) 複数の区分に該当する場合には、上位の区分に該当するものとする。
ロ 直前期末以前一年間における取引金額に応ずる割合
卸売業 | 小売・サービス業 | 卸売行、小売・サービス業以外 | 割合 |
50億円以上80億円未満 | 12億円以上20億円未満 | 14億円以上20億円未満 | 0.90 |
25億円以上50億円未満 | 6億円以上12億円未満 | 7億円以上14億円未満 | 0.75 |
2億円以上25億円未満 | 6000万円以上6億円未満 | 8000万円以上7億円未満 | 0.60 |
(三) 小会社の株式の価額は、一株当たりの純資産価額(相続税評価額によつて計算した金額)によつて評価する。ただし、納税義務者の選択により、Lを〇・五〇として(二)の算式により計算した金額によって評価することができる。
財産評価基本通達180:類似業種批准価格
前項の類似業種比準価額は、類似業種の株価並びに一株当たりの配当金額、年利益金額及び純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)を基とし、次の算式によって計算した金額とする。この場合において、評価会社の直前期末における資本金等の額(法人税法第二条((定義))第一六号に規定する資本金等の額をいう。以下同じ。)を直前期末における発行済株式数(自己株式(会社法第一一三条第四項に規定する自己株式をいう。以下同じ。)を有する場合には、当該自己株式の数を控除した株式数。以下同じ。)で除した金額(以下「一株当たりの資本金等の額」という。)が五〇円以外の金額であるときは、その計算した金額に、一株当たりの資本金等の額の五〇円に対する倍数を乗じて計算した金額とする。
A×(((((B))/B)+(((C))/C)×3+(((D))/D))/5)×0.7
(一) 上記算式中の「A」、「((B))」、「((C))」、「((D))」、「B」、「C」及び「D」は、それぞれ次による。
「A」=類似業種の株価
「((B))」=評価会社の一株当たりの配当金額
「((C))」=評価会社の一株当たりの利益金額
「((D))」=評価会社の一株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)
「B」=課税時期の属する年の類似業種の一株当たりの配当金額
「C」=課税時期の属する年の類似業種の一株当たりの年利益金額
「D」=課税時期の属する年の類似業種の一株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)
(注) 類似業種比準価額の計算に当たっては、((B))、((C))及び((D))の金額は一八三((評価会社の一株当たりの配当金額等の計算))により一株当たりの資本金等の額を五〇円とした場合の金額として計算することに留意する。
(二) 上記算式中の「〇・七」は、一七八((取引相場のない株式の評価上の区分))に定める中会社の株式を評価する場合には、「〇・六」、同項に定める小会社の株式を評価する場合には「〇・五」とする。
財産評価基本通達181:類似業種
財産評価基本通達182:類似業種の株価
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